スピッツ

どうも ぱんです
まぁ二回に分ける必要もなかったんですけども

最近ちょいと昔の曲がマイブームでして

今ヘビーローテーションが以下の曲

(スピッツ)
スカーレット

(CHARA)
大切をきずくもの
ミルク
(安全地帯、玉置浩二)
彼女は何かを知っている
only you

昔mp3プレーヤーに入れてたんですけど
ウォークマンに切り替えてからめっきり聞いてなかったもので
良い曲はいつ聞いても良い曲ですなぁ(使い古された言い回しだ

あと最近は電気グルーブもはまりかけです
あの何とも言えない奇妙な感じが
というか・・・いかれ(ごほごほ

シャングリラとかおすすめです

てなわけでここまで
ではではノ





男は少女に醤油を持ってくるように命じ、少女はどこからかそれを調達してきた。

卵の上に醤油がたらされ、男の箸によって黄身が二つに割られた。
黄色と褐色がいびつなマーブルを白米の上に描く。
男は四角に成形された白米を箸で切り取り、口へ運んだ。

一口、二口
男の箸は止まらない。
それは、久しぶりに固形食を食べる人間の食べ方ではなかった。

少女は真剣なまなざしで男を見ていた。
それが物欲しさを漂わせていることも男は感じ取っていた。

男の箸は止まらない。

少女がこくんと小さく唾を飲み込む。
少女の表情が少しずつ硬いものへと変わっていく。

8割ほど食べ進めた時だった。
少女が声をあげた。

「おじさんは卵かけご飯と死なないのとどっちが良い?」

少女の顔は紅潮していた。
少し呼吸も荒い。
立ちあがり、男の布団に両手をついて少女は身体を支えた。

「ねぇ、どっちがいい?」

男は咀嚼を続けていたが、横目で少女を見ると口を開いた。

「これを食べられないなら、死んだ方がましだな」

少女は目を見開く。
更に男は続ける。

「ひさしぶりに食べたが・・・これ程うまいものもないな」
「死んじゃうほうが・・・いいの?」
「これを食べられないなら、死んだ方がましだな」

男は同じ台詞を繰り返すと、再び口へ卵かけご飯を運んだ。

「そんなの・・・死んじゃうほうがいやに決まってるもん・・・」

少女はヒューヒューと喉を鳴らしながら、つぶやくように言った。

「おじさんウソついてる・・」
「ウソついても仕方ないだろう・・・もうすぐ「死ぬ」のだから」

少女は混乱していた。
少女の身に起こっていた身体の変化も原因の一つだが、何よりも男が予想外の返事をしたからだ。
少女の当初の目的は「味を教えてもらう」ことだった。
だが、男と会い、接する内に、彼女も気づかないうちに目的が変わってしまっていた。
少女は知らず知らずの内に、「食べる」事は出来なくとも「死ぬ」訳ではない自分に優越感をもっていたのだ。
従って、彼女の男への問いかけは「味」ではなく男と自分の比較となっていたのである。

少女は咳をした。
顔が暑い。
息が苦しい。

体調の変化は少女を感情的にした。

「死ぬ方がいやだ!」
「・・・違うな」
「おじさん死んじゃう癖に!!」

目に涙が浮かび始めた少女を男はじっと見る。
手元の卵かけご飯は残り一口だった。

「・・・うまかった。ありがとうな」

それは少女が当初、男に求めていた返答の一つであった。
だが、それを聞いて少女は泣きだした。
うつむき泣きながら少女は部屋を出ていく。

男は少女の後ろ姿を最後まで見送った。
少女が去った後、男は卵かけご飯に視線を戻し、嘆息した。

口の中に卵黄が絡み残っている。
正直久しぶりの固形物は気持ち悪い以外の何物でもなかった。
今も胃が明らかに拒絶している。

男は年端もいかない少女に苛立ちを覚えたことを、あまりにも大人げなかったと自嘲したが、
ただ、胸にくすぶる嫉妬心を笑うことは出来なかった。


男は、少女の身体に異変が生じていることに気づいていた。
男も詳しくはないが、アレルギーか何かだろうと直感的に思った。
先ほど卵にも白米にも触れていた少女が発作を起こしたとしてもなんら不思議はない。

ナースコールを押した方がいいか・・・。

男はぼんやりとそう思いながら、最後の一口を口にした。
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by howahowapan | 2010-05-16 21:28 | Dな日々